角膜を削らない〈眼内コンタクトレンズ〉視力矯正
眼内コンタクトレンズ視力矯正は、角膜を削らずにレンズを目の中に入れて視力を矯正する方法です。
〈インプランタブルコンタクトレンズ〉を略して「ICL」、また「フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)」と呼ばれることもあります。
眼内コンタクトレンズなら、角膜を削らないので角膜の形がほとんど変化しません。
また光学部が大きく確保できるため、夜間に問題となるハロー・グレアの抑制が期待されます。
眼内コンタクトレンズ視力(ICL)矯正の特長
- シャープであざやかな見え方が期待されます。
- 入院不要の治療で、翌日には快適な視力回復が期待されます。
- ゴロつきや異物感もなく、目にやさしい
- ドライアイの原因になりにくい
- 良好な夜間の見え方が期待されます
- ずっとお手入れ不要
万一の場合でも、レンズを取り出し元の状態に戻すことができます - 紫外線をカットする機能もあります
他の治療法との比較
治療法を選択する際は、それぞれの屈折矯正治療法の特長をよく理解するようにしましょう。
下記の表は、一般的な屈折矯正治療法であるレーシックとの比較です。
見え方
ICL治療 | レーシック | |
---|---|---|
スッキリ鮮やかな見え方 | ○(*1) | ○ |
治療法について
ICL治療 | レーシック | |
---|---|---|
20~30分の治療時間 | ○ | ○ |
角膜の処置 | 角膜を削らない | 角膜を削る |
ドライアイ | ドライアイにならない(*2) | 時折ドライアイになる (*3) |
その他の特長
ICL治療 | レーシック | |
---|---|---|
元の状態に戻せる または取り出せる |
○ 取り出せます | ✕ 元に戻せません |
将来の目の 治療への対応力 |
○ 取り出せます | 角膜が関連すると制限が加わる可能性があります |
薄い角膜への治療 | ○(*4) | 限度があります |
紫外線カット | レンズ素材は 紫外線をカット |
✕ |
- Sanders D. Vukich JA. Comparison of implantable collamer lens (ICL) and laser-assisted in situ keratomileusis (LASIK) for Low Myopia. Cornea. 2006 Dec; 25(10):1139-46.
- Naves, J.S. Carracedo, G. Cacho-Babillo, I. Diadenosine Nucleotid Measurements as Dry-Eye Score in Patients After LASIK and ICL Surgery. Presented at American Society of Cataract and Refractive Surgery (ASCRS) 2012.
- Shoja, MR. Besharati, MR. Dry eye after LASIK for myopia: Incidence and risk factors. European Journal of Ophthalmology. 2007; 17(1): pp. 1-6.
- Parkhurst, G. Psolka, M. Kezirian, G. Phakic intraocular lens implantantion in United States military warfighters: A retrospective analysis of early clinical outcomes of the Visian ICL. J Refract Surg. 2011;27(7):473-481.
日帰り手術 回復も早い
眼内コンタクトレンズ視力矯正は、レンズを専用の器具で目の中に入れます。
麻酔は目薬だけですから痛くはありません。
また傷口が約3ミリと小さいので回復が早く、日帰りの手術が可能です。
眼内コンタクトレンズ視力矯正の歴史
眼内コンタクトレンズは、1997年に欧州で導入されて以来、世界で累計1,000,000眼に使用されています。
国内では2003年から治験が始まり、2010年に医療機器として承認されています。
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